断熱材で温室をつくろう(実践)

前の記事でクワガタのための温室を作ることについて書きました。

今回は、実際に作ってみます。

今回とりあえず、成功していますので

もし急ぎでさっさと準備して、作ってしまいたいという方は

一番下のまとめの前の部分に今回の準備物や

設計図を載せていますので、そこを見てください。

この記事は、自作で保温庫を作るための情報を載せています。

わざわざ時間をかけて、そんなものを作ることになるには

いろんな理由があると思いますが

こんな感じで間違いないでしょうか?

  • クーラーをつけっぱなしにできるような自分の自由にできる空間(周囲の理解)がない
  • クーラーをつけっぱなしにできるほどの金銭的余裕がない
  • 冷やし虫家などの高級冷温庫を購入するだけの気位はない。
  • 安く済ませられないと嫌。出費は最低限で行きたい。

いかがでしょうか?

上のどれかにあてはまるものはありましたか?

もしどれかにあてはまるようなら、この記事はあなたの役にたつかもしれませんね。

この記事には、実際にどうすればいいのかをしっかり書いて、みなさんがそのままこの情報を使えるようにします。

順に実践できるような情報をあげていきます。

断熱材を使って、保温庫を作ろう

断熱材を購入する

世間には、いろんな会社の断熱材がありますが

今回は「カネライト」を使います。

私のよく行くホームセンターはプロ向けのお店で

そこに置いてあるものを購入することになるからです。

特にこれでないとダメということはありませんので

メーカーはご自由に選んでください。

よく見かけるのは青い「スタイロフォーム」でしょうか。

やはり、私の行くお店ではカットサービスはありませんでしたので

購入後、その場でさくっと切って持って帰りました。

コツはここにも書きますが

「カッターの刃を水かCRCで濡らしてから切る」です。

この時も指金(さしがね)とかは無く

当て木もなかったので、印だけカッターでつけて

メジャーを伸ばしてその脇をザクっといっきにいってみました。

案の定、最初の一発が浅く

二度目に入れたときにそのままそのラインをなぞれず

予定通りの失敗。

ですが、なんとか前ほどのことにはならずに

最低限の失敗で済ませました。

とりあえず普通車の車内に載せるためには

ひと切りはしておかないと載らなかったからです。

今回は、プロが家を建てたりするときに使う

本気の断熱材を使って、効果の高いところを感じたいので

50㎜のものを使います。

一般的なサイズなので縦1820の横910のサイズです

よくあるコンパネとかべニアとかも

大体この手のものはこのサイズですよね。

切り方

この一枚を有効に使って最大限の大きさで作ることを目指します。

今回はこんな形でやってみました。

画像ではわかりにくいかもしれませんが

これさえ見てもらえれば大体の方は

どういうことか把握はできるのではないかと思います。

【メモです】この前の健康診断の時に、待ち時間を利用して携帯で考えをまとめてみました。

この一枚でこんな感じでカットすることにしました。

いろんな希望を叶えてくれるようにしないといけなかったので

簡単ではなかったのですが

おそらくはこの内容で問題ないと思われます。

ここで上の絵にも書いてはあるのですが

どういう考えをもってこの図になったかを記しておきます。

このカネライト一枚で作り切れるようにする

最低限の予算でできるようにしたいので

無駄な買い物をしなくて済む工夫をしました。

この一枚で最大限のパフォーマンスを発揮できるようにします。

1820㎜×910㎜の寸法でこれだけを使って箱を作ることになるので

私のあまり賢くない頭でサルのように考えていきました。

  • 箱型なので、面は6つ必要。
  • そもそもの形が長方形なので、完成する形も立方体ではなく直方体になるだろう。
  • では、とりあえず縦に半分にして、底と蓋の部分とを分けて、残り4面が同じ大きさにすればよいのだ。
  • 910㎜の半分は455㎜。これで一番短い辺の長さが決まった。
  • 素材の分厚さが50㎜もあり、これを分厚さを含めた構造にするなら+100mmになるので、もう一つの辺は+100㎜を足すことになるから555㎜。もし、分厚さを含めず内側に入れるなら中が狭くなるが355㎜あるなら問題ないかも。
  • これで底と蓋の寸法が決まったので、長さ1820㎜の縦から555㎜引くと1265mm。それの半分になるので、1265÷2=632.5㎜で確定。(もし、上で書いたように、分厚さを内側に入れるなら奥行きが455㎜とすることもできて、最終長い方の辺は682.5㎜とすることもできる。
無駄のない収納力を目指す

・菌糸瓶をいくつ入れられるかを、考えて作ります。

・横幅は800㏄なら10㎝、高さは13㎝くらいは必要で、1400㏄なら幅11㎝、高さ14㎝くらいは必要。

  フォーテックさんの縦長タイプは10㎝未満の幅ながら高さは17㎝もある。低いもので13㎝。

  これらのサイズでも問題のない範囲で考える。

・使うことを決めている「ピタリ適温プラス3号」は42㎝×22㎝。分厚さは問題ないが、ボトルを直接載せることはできないため、浮かすスペースが必要。

・箱の内部の寸法は高さ45.5㎝、幅53.25cm、奥行き45.5㎝となるので、背の低い800㏄ボトルだと横に5つは確定で、3段ぎりぎり、1400㏄の高さ14㎝だと本当にキツキツか。棚の分厚さが問題になるか。

・ここは高さ17㎝もある縦長タイプは諦める必要があるのかも、と想像がつく。

扉の構造は?

幼虫管理は、ある程度のチェックが必要なので

手間暇をかけずにできなければ意味がない。

となると、全体がすぐに確認できるように

大きく開けられる構造がいいだろうと考え

前部分を開けられるようにします。

蝶番(ちょうつがい)を使いたいところですが

カネライトの素材は柔らかく

木工などのようにネジなどは使えません。

敢えてやるならその部分をカットして

ボンドか何かで木をはめ込み、それに加工するなどすればできると思いますが

蝶番の加工は難しいです。

取付に失敗してしまい、隙間ができる様子が簡単に想像できます。

ここは無理をせず、済ませるために磁石を使って

とりはずしができるようにします。

しかし、今回は中の棚の奥行きが深く

扉的働きをしてもらうはずの手前のボードが収まり切らないのでした!(笑)

しかし寸法はぴったりで

隙間はわずかにある程度でしたので

これは中への酸素を取り込み、呼吸のためと考えて

そのまま「はめ込み式」にしてみます。

庫内の収納方法は?

カネライト自体を直接加工して棚を作るというのは、非現実的と考えます。

ここは素直に中に棚を置くことが最善と判断します。

しかし今回は棚ありき(棚の大きさに合わせて断熱材をカットしていない)で進めておらず

内部の容積を無駄なく使うためには

かなり自由度の高いものを使う必要があります。

しかも、経費はかけたくないので

ここもやはりあれを使うことになります。

あれとは、、、

100円ショップで購入した「ワイヤーネット」です

最近は100円ショップならだいたいどこにも売っているものです。

これを自分の欲しいサイズに切ったり後からつけたりして、カスタムします。

棚として組み立てるのには、既成のフックなどは使わず、結束バンドを使います。

ピタリ適温の配置とその他

棚を作るときに前もって考えておかないといけないことの一つに

今回使うことにしているパネルヒーターである「ピタリ適温プラス」

ですが、何やら表面温度は45°を超えてくるらしく

菌糸瓶をこの表面には直接触れされるわけにはいかないのです。

少し浮かせる工夫が必要だということですね。

また、これを敷いて温室として使うとすると

電源コードの始末が問題になります。

できるかぎり、無駄な隙間や穴がないようにしたいのですが

ピタリ適温のコードは

そのパネル部分に直接コードが取り付けられており(プラグなどの差し込みなどない)

これをまともにセットするためには少し工夫がいるようです。

コンセントのプラグが通るような

少し大きめの穴を開けないといけないからです。

これはもう諦めて、後で穴をあけてまた塞ぐことにしましょう

このパネルヒーターにはサーモスタットがセットで必要です。それなりの温度帯で使えるようにはなっているのですが、25°から29°と、まあまあの開きがありますし、私の狙いたい温度はむしろ、それより下です。

さらに、本当に内部の温度が希望通りになっているか、外から見ていつでもわかるようにしておきたいので、やはり「温度計」が必要となります。

色々と必要になり手間がかかりますが

断熱材自体は柔らかく加工は簡単です。

穴をあけることもその部分を塞ぐことも

それほど難しいことではありませんので

また最後にでもやりましょう。

作り方

自分の思った通りに切れたら

設計図通りに組み立てていくだけです。

もし、思った通りに切れなくて隙間ができた場合でも心配ありません。

テープやコーキングでいくらでも塞ぐことができるはずです。

私はセメダイン社のボンドを使いましたが

強力なテープなどでも作れないことはないです。

私が使ったボンドは早く乾いてくれるタイプだったようですが

それでも構造を強くするために「竹串」を使います。

ほんの15cm程度のものですが

ちょっとした衝撃にも耐えてくれるようになりますし

ボンドが硬化するまでの「ズレ」もなくなります。

強さを求めるなら

もう少し太いものを使うことにしてもいいかもしれません。

家庭でたこ焼きをするときに使ったりするやつです

差し込むのには、少し硬いので大変かもしれませんが、手を添えながら何か硬い物(例えばフライパンなど)で押しつければ案外簡単にさせますよ。叩くのではなく、グーっと押し込む感じ。

箱をつくるための準備物

  • 工作用カッター(できれば太いタイプ)
  • CRC(私は5-56を使いました)
  • メジャー
  • ボンド(発泡スチロールに使えるタイプで間違いないです)
  • 竹串
  • 当て木(金属製の物差しがあれば最適だけど、1mとかの長さが必要ですし、非現実的です。私は家の中にあるもので代用しました。姿見を使ったのでした)

断熱材の図面

50㎜の厚みのあるもので作る場合の寸法です。
完成の図はこんな感じ
手前の面を扉ではめ込み式にしてみました

まとめ

カットは簡単です。

でも、刃を入れるのは一発で切り切ってしまうつもりでいかないと線がダブります。

ダブると箱がずれます。

ピッタリ組めなくなるのです。

カッターを思い切って下まで切り抜くつもりで

行ける環境を作ってからにしましょう。

私は家の床の上で作業したために

床に傷をつけてしまうのではないかと

心配しながらでしたので

手が縮まってしまっていました。

うまく切ることさえできれば

組んで接着などはもっと簡単です。

そして予定では扉に磁石を使うつもりでしたが

思ったよりもピッタリいきましたので

必要なさそうでやめましたw

磁石を使うならはめ込み式にする組み方ではない

時のやり方だなと判断したためです。

とりあえずはこの記事で

温室作成の手間がかなり省けるのではないでしょうか?

保温効果は発泡スチロールよりもあるはずですので

ぜひ皆さんもチャレンジしてみてください。

毎回書くことですが、刃物を使ったり

ボンドを使ったりとケガや破損などが起こりそうな要因がたくさんあります。

この工作には危険が伴います。自己責任でお願いします。一切の責任を負いません。

コメント