

この記事は、パプアキンイロクワガタ(以下、パプキン)の
すでにペアリングされた後の産卵セット(クワガタに卵を産ませるための産卵場所の準備)
について書いています。

パプキンに卵を産ませたいけれど、一体どんな準備をしておけば良いのかわからない。でもあまり大掛かりなことはできない。本当のところは最低限のことさえできれば良いのだけど、、、
そんな人に最適な内容となっています。
この記事を読めば、無事にパプキンに卵を産ませることが
できるようになりますので最後までしっかりお読みください。
産卵させる条件について
卵を産んでもらうためには、いろんな条件があります。
まずは、それらが揃っているかどうかの確認が必要です。
ひとつずつ見ていきましょう。
飼育の状態の確認
パプキンは温度管理が必要な種類です。
死なせてしまわないだけなら、
人がある程度の快適さで生活できる環境にあれば十分と言えそうです。
しかし、パプキンは基本的に寿命の短い生き物です。
羽化してから1か月以上
は餌を食べずにいることが普通で、その後わずか
1ヶ月から長くても半年くらいで死んでしまいます。
一番いい状態でいてもらいたい、沢山の卵を産んでほしい、
少しでも長生きしてもらいたいと思われるなら飼育温度の調整が必要です。
パプキンは、名前の通りパプアニューギニアのクワガタです。
オーストラリアのすぐ北、同じ島続きで西にはインドネシアがあります。
熱帯雨林気候で、湿度は低く、日本のような冬はありません。
平均気温は特殊な地域を除き24度くらいです。もし温度設定、管理が可能なら、
24度前後にしておきましょう。
高い湿度を嫌う
パプキンは人間が、年中半袖、半ズボンでいられ、蒸し暑さを感じることなく生活できる環境下で生まれています。
日本では真夏になれば、日の当たらない家の中、屋根の下でドアや
窓を開け放った比較的風通しの良い室内でも30度を超えることがあります。
パプアニューギニア現地では平均27度くらいですので、多少のことでは
問題なさそうですが、もし気温が高い場合は、とにかく湿度を避けるようにしましょう。
わかりやすくいいますと「パサパサマット」、でよいということになります。
ペアリングの確認は?
パプキンはメス殺しをしない種ですので、同居させておくことができます。
個体同士の相性が特別悪くないかどうかということは、見ておく必要はあります。
十分に成熟された個体同士を同じケース内に入れて5日から1週間も経てば
ペアリング完了と言えます。
注意してほしいこと
①成熟し切っていないとメスを殺します
餌も食べるし、オシッコもしたし、もうどう考えても十分成熟しているだろうと思っていても、ペアリングできない個体もいます。
機能がないからか、それともただ単に個体の特性なのか?こればかりは運としかいいようがありません。
一つ気をつけないといけないのは、餌を食べて、おしっこもするけど、まだ完全に成熟していない場合は雌殺しをしてしまいます。私は一回だけうっかりやってしまいました。
雄は羽パカや奇形などの問題がない限りはそれほど早く寿命を迎えることはありませんので焦らずにしっかり期間を見ることが大切です。
②パプキン幼虫はおそらくは200mlくらいまでの小さな容器で飼育されている方が多いと思います。
しかしペアリングの時に、私の場合はですが、200mlの小さい容器のままではなかなかペアリングされてくれませんでした。どういうわけか、少し大きめのケース、特に縦向けに余裕のある容器でなければ、なかなかうまくペアリングしてくれなかったのです。
ミニケース程度(とまではいいませんが)で良いので、もしなかなかいい結果が出ない方は、一度、縦にゆとりのあるケースに入れてペアリングという方法を試してみてください。良い結果が出るのではないかと思います。
産卵セットの組み方
卵を産んでもらうための準備として、必要なのは「マット」と「ケース」です。
パプキンの雌はとても小さいですので、ケースは小さなもので構いません。
私はダイソーで販売されている650mlのスクリュータイプの蓋のついたものに
ドリルで穴をあけて、通販で購入しておいたタイペストシールを貼って使いました。


自分で両面テープでガスコンロ換気扇用のシートなんかをはさみでチョキチョキと切り取って貼り付けたりすることでも同じような効果を得られますが、とても手間がかかります。時間の費用に見合わないと思いましたので、シートを買いました。(笑)

マットの表面には、転倒防止のためのものを何か用意するのは、もう常識といえますよね。
今回はこれも100均で購入しましたが、植木鉢の底に敷くためのものを使うことにしました。
他の情報を見ましても結構みなさん使ってますよね。

使うマットは、フォーテック社さんの超有名な「産卵一番」を使います。普通はこれだけで十分なようですが、これとは別に月夜野キノコ園さんの「きのこマット」を「フルイ」にかけて細かくしたものも混ぜてみました。
半分ずつくらいにしています。
水分は少なめにします。今回は購入し送られてきたそのままの状態でいきました。

色の違いがすごいですね。
薄い色のほうが産卵一番、濃い色のほうがきのこマットです。
ところによってはカブト虫に使うような真っ黒の完熟発酵マットが良いと言われるのも見たことがありますが、私はこれの方が良い結果が出ています。

先にも書きましたが650mlの容器にマットを入れていきます。
すりこぎ棒を使っています。これでトントンと固めていきます。2回~3回くらいに分けて固めます。あまりガチガチにというところまでにはしていません。

このまま敷くと、びっくりするくらいにぴったりの寸法ですので、何か所かをカットして出入りができるようにしておきます。
「あつらえ」のようにぴったりフィットです。
とりあえずこれで下準備は完成です。

あとはペアリングの済んだ雌をこのセットに入れるだけです。
産卵セットの結果
産卵セットに入れてしばらくはそっとしておきましょう。安心して産卵できる環境であるということが分かればきっと産卵してくれるはずです。
あまり刺激を与えないようにすることが肝心です。
うまくいきますと1ヶ月としないうち、くらいには産卵してくれているはずです。
ニジイロクワガタやヒラタ系の場合はケースの縁辺りのわかりやすいところに産卵してくれることが多いですが、パプキンはそうでもなさそうです。

マットの中に、卵を発見することができました。


お米の粒と比べて少し小さめでしょうか。なんとか無事産卵してくれていたようです。まだメスも元気に生きていますので、ひょっとしたらもう少し産んでくれるかもしれませんので、また再セットします。

数個しか産卵してくれなかった方は、本気のガッチガチに固めてみたほうでした。
パプキンはあまりマットを硬くすると産みにくくなるようです。個体差もあると思われますが、ほどほどというところにしておきましょう。
まとめ
パプキンは基本的に温度管理が必要な種類ですので、管理された環境下なら季節を問わずいつでもペアリングや産卵は可能です。
メス殺しの心配はしなくても良いですが、成熟度が足りない状態では危険です。餌をしっかり食べているか、おしっこをしているか、よく動くかなど確認してから同居、ペアリングさせましょう。
マットはきめの細かいものを選んだほうが多くの産卵を期待できます。また水分は袋を開けてそのまま使います。特に購入してすぐなら加水はしなくても良いはずです。
ケースは今回はこのようなものを自作するようなことにしましたが、空気穴があってタイペスト紙などが使えるなら別のものでも全く問題ありません。
また作業には危険が伴います。くれぐれも気をつけて、自己責任でお願いします。
以上、参考にしていただきまして、あなたのクワガタ飼育にお役立てくださいますと幸いです。
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