オオクワガタの累代ブリーダーにとって、人口蛹室は絶対に必要なものです。
累代させて、サイズを少しでも大きく!と目指すのであれば人口蛹室を用意して
対策することはとっても大事なことになってきます。
この記事では上記のことについてくわしく説明しています。
オオクワガタをブリード、飼育する方、特に何代にも渡って継続して飼育されている方にはどうしても必要なものとなっているはずの「人口蛹室」。
菌糸瓶の露天掘りの延長でちょっと細工するだけの方もいれば
「オアシス」などの本来は生け花に使うためのものを加工されて使う方もいらっしゃる。
人口蛹室に関わるいろんなことについて記述します。
人口蛹室とは?
蛹室というのは、多くのクワガタが蛹から成虫になるまでの間、蛹(さなぎ)の姿で一定期間を過ごすための場所です。
コクワガタもヒラタも、おおよそ日本にいるクワガタで、よく見ることができるような一般的なクワガタはすべて蛹室(ようしつ)を作ります。
この蛹室は、当然ですがその虫が自分自身で作る部屋です。
本来であれば、自分で蛹室を作ることになるはずなのですが、「人口」というくらいですから人の手で作る蛹のための部屋ということになりますね。
しかし、どうして人の手で蛹のための部屋を作ってやる必要があるのでしょうか?
人口で蛹室を作る理由「いつも理想的な形ではないから)
蛹室を作ることになっているクワガタは、成虫になるために蛹になる前に部屋を作り、いつでも蛹になれるように準備をしておきます。
そして準備が終わったら、そこで安心して蛹化(さなぎに変化する)して成虫になるための用意をします。
生まれてきてから誰に教わることもなく、本能で動いているクワガタですが、いつもうまくいくわけではありません。
うまくいかない理由はいくつかありますが、その代表的な点をあげます。
掘り出しミス
飼育の際、ボトルの入れ替えをするつもりで、菌糸ボトルをスプーンで開けていくという作業をされたりしますが、そこで自分(人)のせいで、すでに作ってあった蛹室を壊してしまったとき。
蛹化してしまった幼虫は、もう蛹室を作ることができません。
蛹室の天井に穴が開いただけなら問題ないのですが、蛹室の形が崩れてしまったり、堀カスが蛹室内に入り込み、蛹の動きに支障が出てしまう場合などは不全を起こす原因になったり、場合によっては★ったりします。
ボトルサイズ選択のミス
個体に対して菌糸ボトルが小さすぎということはないでしょうか。
クワガタの大きさに対して、ボトルのサイズが適していなかった場合はまともに成虫になることができない場合があります。
通常はボトルのサイズに合わせて、仮にもっと大きくなれる場合でも、自ら成長を止めてしまうことが多いのですが、ついうっかり大きく育ってしまうことがあります。
自身のサイズに適した大きさの蛹室が作れないままに蛹化し羽化しようとすると、アゴをのばせなかったりします。
蛹室の位置を誤る
大きなボトルで大きな幼虫と、しっかりマッチしている場合でも、時によってボトルの端の方に蛹室を作ってしまうことがあります。
せっかく大きなボトルを使っていても、蛹室をボトルの淵(外から見える位置)に作ってしまった場合、蛹化したときのサイズに寸法が足りなくなってしまうことがあるのです。
こんな場合も人の手によって救ってあげないといけないのです。
その個体自体が自身の成長の度合いを見誤ったのかもしれません。
私はつい先日羽化した個体はこのパターンでした。
せっかく種親よりも大きなサイズで蛹化していたことがボトルの外側からも確認できていたのにもかかわらず「大きい蛹室だらか問題ないだろう」「ある程度、自然にまかせても大丈夫だ」などと思っていました。
ボトルの外から見ていて、うまく蛹から羽化したかのように見えましたが、羽化できたのにアゴが上に上がらず、下を向いたままの羽化となり、不全をおこしており、そのまま★になってしまいました。
まとめ
蛹化、羽化の失敗を人口蛹室を使うことで防げるのは飼育下での利点です。
事前に人口蛹室を作りましょう。
蛹室にはある程度決まった角度や幅の広さや長さなど、その個体に合わせたものの理想的な形というものがあるようです。
どういった形が理想的なのか、いろんな方が実際に作られていますので研究するべきと思います。
その個体ごとにある程度の違いはあるとは思われますが、注意するべき点は共通ではないでしょうか。こればかりは結果のみが教えてくれるところです。
私もまだまだ経験が少ないので、どんどん作っていこうと思います。
今、想像しておりますのは、サイズに合わせて角度、長さ、幅などの固定の型を作ってみたいということ。
できるだけ早いうちに実現したいと思います。
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