
アウトドアに関わる皆様、特に子どもを連れて野外で活動する機会をお持ちの皆様は
活動中の子どもの安全に対して責任はそれなりに感じて、いろんな対策をされるのだと思います。
ケガを防ぐための道具を用意したり、行動に対する注意を促したり管理者の監視のレベルを上げたりと様々な対策が考えられると思われます。
もしもケガをしたときのため、ということで救急箱の用意などもされるかもしれません。
このくらいまでは常識の範囲と言えるでしょう。
しかし、子どもにケガがなければそれで本当にOKでしょうか?
事故なく終了を迎えればそれでよいのでしょうか?
結論をいいますがそれだけでは「ダメ」です。
いろんなところで安全対策の研修をされているのを見かけますが、ケガをした時の対処法やら
応急処置や、連絡の練習などもされるのでしょう。
しかし、私が思う「安全」には、今どきだからこそのもう一つが必要です。
この点が今の若い人の感覚には絶対的に欠けていることです。
SNS対策は大事

皆さんが思っている以上に、他人は皆さんのことを見ています。
今や日本国民の6割はスマホをもっていて、国民の約半数が「特ダネ記者」「ネット警察」として存在している可能性を言われます。
ちょっとした危険な行動や迷惑行為などが、切り取りで世間にさらされる危険があります。
それが本当に「切り取り」で問題ない行為であれば良いのですが、ほとんどがそうではなく
実際に問題になることが多いのです。
それらを順にあげていきますので、一つずつ確認していきましょう。
迷惑行為(集合場所のマナー違反)
私も実際に体験した話なのですが、それはある市の施設のメインの建物の前で発見しました。
その団体はおそらくは近隣の小学校の校外学習の一場面だったのだと思いますが、施設の正面入り口の
真ん前にざっと100人以上の子ども達が並んで座っていました。

施設の中に入るには、遠回りして違う入り口から入っていくか、その小学生がひしめいて座り込んでいるその真っただ中を割って入って通って玄関にたどり着くか、2択でした。
たまたま誰もその光景に異議を唱える方はいらっしゃいませんでしたが、もし私がその時急ぎの要件もなく、時間に余裕があるような時なら、間違いなく主たる先生に苦情を申し立てていたでしょう。
その光景を例えば写真に撮られて、SNSで拡散されたら、言いわけ無用で迷惑行為確定です。
その団体の「指導者は何を考えているのだ!」となります。
当然です。
同じような手口で、トイレの入り口付近で通行の邪魔になる場所で集団を作る行為や
電車の切符売り場前で、固まってワイワイと盛り上がってしまっていて、切符が買いにくい状況にしてしまっていることや、目の見えない方のために地面に埋められている点字ブロックの上を封鎖する形で集合場所にしてしまっていることなども同等の行為です。
残念なことに、こういうことに関しての教育は、野外活動団体での実際としては、かなり後回しのレベルの話になっています。現場の本人は駅員さんに指導されて初めて気づくレベルなのです。
どんなにいい活動をしているのか知らないが、最低限度の教育(人に迷惑をかけない)ができていないとすれば、活動内容も薄っぺらいと思わざるを得ないでしょう。
危険行為(刃物を扱うとき)
キャンプの際に、刃物を使う時は包丁以外の場合は必ず、刃物を持つ方ではない手に軍手をつけることは常識となっています。
包丁(料理をするとき)ではない刃物というと、鉈(なた)や斧(おの)やナイフでしょうか。
そういう時には必ず軍手を使うということが常識の一つとなっています。
これが遠目でもわかってしまうため「ああ使ってないな」となると
「ネット警察」の格好の餌食になります。
あと、勢いよく鉈やら斧を振りかざして、楽しげに薪割をするシーンを見かけますが
これにも注意するべきことがあります。
薪割をする時には、必ず「薪割台」を使わなければなりません。
<薪割台が必要な理由>
・刃物の破損を防ぐため
地面に石があったり、そもそも下がコンクリートやアスファルトであった場合、振り下ろした刃先が破損します。道具の使い方も良く知らないでなにやってんだ、という話になります。
・刃先が地面に当たる心配がなければ、思いっきり刃物を振り下ろすことができます。
斧(おの)にしても鉈(なた)にしてもしっかり力を伝えられると薪は割りやすくなりますし
割り切れずに薪に刃物がひっかかる心配も少なくなります。
刃物の先が欠けて、飛んでくる!ということはさすがに可能性は低いと思いますが、そういう心配もあるかもしれません。
「薪割台」は特別に用意しないといけないようなものばかりではありません。
そういう名称のついた商品はあるでしょうが実は簡単なものでもよいのです。
振り下ろす刃物が、地面に直接触れない状態でいられるようなもので
刃物にダメージをあたえそうにないもの(例えば、薪割をする前の素材など。竹や新聞紙の束が分厚く用意できるならそれでも可能)を使えばよいだけなのですが
これが何もないとなりますと、やはり「常識はずれ」として、ネット警察の
餌食になりますので注意が必要です。
まとめ
安全対策は結果重視の考え方で良いでしょう。どんなに対策が不足していたとしても、何事も起こらなければ、それで全く問題ありません。
ケガや事故というものは、結果が全てです。
事故もケガも起こらなければそれが正しかったということの証明になります。
たとえそれが、ヒヤヒヤの綱渡り状態の内容だったとしても、です。
野外活動での指導者や引率者としては、そもそもの考え方として「もしも事故やケガをさせてしまったら」という場合を想定して、できうる限りの対策がされているかどうかで、責任の追及から少しでも逃れるということということのためという立ち位置をとるのだというところが本音でしょう。
しかし、今どきは周りの目があります。
常に周囲の監視の目にさらされているということを自覚する必要があります。
結果さえよければそれでよいということが、通用しなくなっています。
しかも、ケガや事故を防げればそれでよいということではなく、さらに「道徳」のレベルを問われるような動きができなければなりません。
それは「一般常識」と言われるものなのかもしれません。
しっかり大人が管理してあげなければ、そこまでのレベルに到達するのは厳しいかもしれません。
教育的な活動を進めていくためには、とても大切なことと思いましたので、今回の記事を書くことにしました。
説明不足な状態の部分が多いでしょうが、ご理解いただけますでしょうか。
多くの子ども達が、楽しい野外活動を体験できるよう、指導者の皆様、よろしくお願い致します。
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