オオクワガタはどこにいるのか?

私が初めて天然のオオクワガタを掘り出した瞬間の画像。

クワガタ好きの方なら一度はオオクワガタは採りたい!

と願っているのではないでしょうか。

 

「夢みている」と言っても言い過ぎではないでしょう?

私もそんなオオクワガタの魅力に取り憑かれたうちの一人です。

 

なんとしてもオオクワガタを採りたい!

といろんな資料をチェックして

ウェブサイトを渡り歩いて動画を閲覧するなど

休みという休みの日はできるかぎり

オオクワガタ探索に時間を費やし

直接は誰に教えてもらうこともなくわずか1年の月日を待たず

オオクワガタをゲットすることができました!!

 

元々私はアウトドア歴25年。

幼少より普通のおぼっちゃまとは違った訓練を受けて育ったため

地図を読んだり方角を見定めたり

険しい山に分け入ることなどがとても得意です。

某青少年健全育成団体のいわゆる指導者養成員でもあります。

 

そんな私がクワプロでは無い立場で

素人の方でもオオクワガタを捕まえることができる情報をお伝えします。

  • オオクワガタの有名な生息地は?
  • オオクワガタの見つけ方(どこに行けば取れるのか)
  • オオクワガタを捕まえる方法
  • まとめ

オオクワガタを取りに行く前に知っておいてほしいこと

オオクワガタの有名生息地

オオクワガタの生息地として有名な地域は、

「山梨県韮崎市」

「大阪府能勢町」

「福岡県、佐賀県にまたがる筑後川沿い」

の3つが日本三大産地と呼ばれています。

 

テレビ番組で知ったのですが

これらの有名産地は元々コメ作りが盛んな地域で

田んぼのすぐ横にくぬぎの木を植えていて

米を育てるときに必ずくぬぎの「ヒコバエ」と呼ばれる新芽を切って

田んぼに撒いて、コメを育てる栄養分として使っていたということです。

くぬぎの木を大きく育てず

低いままに育て、毎年ヒコバエを取ると

その木の表面が変形していき

ついにはウロと呼ばれる複雑な「穴」ができ、そこがオオクワガタの住処となりました。

 

田んぼがたくさんあったので

そのたくさんあった田んぼの数だけくぬぎの木もあり

そこがオオクワガタの繁殖できる生息地として大きくなったようです。

 

それ以外の地域ではヒコバエをコメ作りに使うことはあまりなかったようです。

 

しかしオオクワガタが繁殖できる理想的な環境は

特別な地域だけではありません。

今、日本の山のほとんどが杉山です。


日本の山に生えている木のうちのほとんどが針葉樹です。

およそオオクワガタが採りにくくなっていることが当たり前の状態です。

どうやら戦争をしていた時代から復興の時まで

家屋のための資材が必要となったため

杉やヒノキなどの針葉樹が必要とされての結果のようです。

 

しかし現在は外国から入ってくる資材の方が

安く買えるため日本の資材は売れにくくなり

放置状態の山が増えたようです。

 

コロナ禍で少し風向きが変わってきたようですが

クワガタの立場は何も変化しなさそうです。

 

今の時代は炊事にはガスを使いますが

昔は薪を燃やしてカマドで炊事されていました。

 

これも同じく戦争を当たり前にしていた時代の頃です。

薪は生活必需品であったため、大体近所の山や森では広葉樹が育てられていたのです。

 

広葉樹は針葉樹に比べて燃える勢いはほどほどですが

長持ちする性質を持っています。

昔から広葉樹が育てられていた地域では当然いろんな虫が育っていたはずです。

今でも薪を必要としている地域やキャンプ場などの需要を満たすために

広葉樹を昔ながらに続けて育てられているところはあります。

 

そういう場所は商業的に定期的に切り倒されることになりますが

広葉樹が育てられている環境が間違いなくそこにあるということで

そういう場所には間違いなくいる、ということになります。


どこに行けばオオクワガタがいるのか

広葉樹の生える場所にいる

オオクワガタは先に述べた通り

広葉樹が生えている地域にしかいません。

自分の住処となる木そして餌となる樹液を出してくれる木が

生えている場所でしか生きていけません。

 

条件さえ整っていれば必ずしも山の中ばかりとは限らず

河川敷でも見つけられたという情報はあります。

 

川や池などの水気のある場所に近いところにいる

また多くの昆虫がそうであるように

乾燥した場所では生活しにくいはずで

どちらかというとジメジメした湿気のある場所を好みます。

日の光りがいつも強く照り付ける場所では生活しにくいです。

 

オオクワガタは木に産卵する

いろんな種類のクワガタがいますが

産卵場所は種類によって様々です。

オオクワガタは一部の特殊な例外を除き朽木に産卵することになっています。

森の中に倒れていて、朽ちている木はほとんどがキノコ類の力を借りて朽ちていきます。

 

木が朽ちる理由には様々ありますが

樹木に虫やキノコ菌が入り込み齧られて倒れるパターンがあります。

私の経験上では、オオクワガタが自然界で産卵する場合は

朽木の表面にキノコの子実体が多く生えた状態のものにはほとんど産卵しません。

キノコの繁栄が収まったくらいのものにようやく好んで産卵します。

子実体がまだしっかりあるような状態の朽木はまだまだ元気で

実際に生えている木と遜色ないくらいにしっかり硬い場合が多いです

そんなところにはカミキリムシの幼虫がわずかに見られるくらいです。

まだキノコが元気に生えている状態。まだ木はカチカチです


稀に朽木の中でも長くて太い物の場合

この一部分はキノコが生えている状態ですが

この部分のみは生えておらず、うまく朽ちている、と言う場合があります。

 

そうするとその部分にだけ産卵している場合があります。

先の画像のキノコはカワラタケですが

カワラタケの入った木はなかなかやわらかく朽ちるということがありません。

大抵がカチカチで、おおよそオオクワガタが好んで産卵するという種類ではありません。



オオクワガタを捕まえる方法

ライト採集(光に集まる性質を利用する)

最も簡単だと思われるのは、この方法です。

民家の近くである場合や

既に公に禁止になっている場所もあるようですが

そうではない場所でライトの光で虫を集めることができれば最も楽です。

 

しかし懐中電灯程度の光に集まってくれることはまずなく

何万円もする高価で重い機材を一式購入して手堅く設置して採る方法か

山奥の電柱などにある街灯や自販機、コンビニの光などに集まるものを探しに行くか

という2択になります。

 

前者なら自らが仕掛けて採りに行ける積極的な方法と言えますが

後者は残念ながら宝くじに当たるのを待つのと同義と思われるものです。

 

運が良ければ拾えるけれど、普通はそんなに甘くないよね、という。

しかし光に集まるものを取りにいければこんなに楽なことはありません。

他の2つは体力と情報を持っている方でないと厳しい方法です。

 

オオクワガタの住処(すみか)に直接アプローチする方法

オオクワガタは広葉樹のウロと呼ばれる

木の中に複雑に入り組んだ穴に住んでいる場合がほとんどです。

 

しかし今時、オオクワガタが棲家とするようなウロのある

いい広葉樹の生えている場所が山の中のどこにあるのか

把握できている人がどれくらいいるのか。

 

そもそも先に述べたように広葉樹自体が少ないのに

よりによってクヌギ、ブナ、エノキやコナラなど

そこそこの太さのある理想的な木をピンポイントで、、、、、

 

もうこの時点でかなりレアです。

オオクワガタがあちこちで頻繁に取れない理由がこのことに集約されています。

 

しかも!ウロの中にオオクワガタが見つけられたとして

簡単に引っ張り出すことはできません。

技術的なこともそうですが

オオクワガタも捕まえられないように必死で踏ん張ります。

そもそも仕組みとして難しいのです。

あまりに困難な事柄がありすぎますので

やはりこれはお勧めできません。

 

朽木の中の幼虫を掘り出す(材割り採集)

オオクワガタの居場所を有る程度特定できていれば

住処の近くにある朽木で有効なものを探し出せれば

見つけることができます。

 

材を割る必要がありますので

斧や木を穿るためのマイナスドライバーや

場合によってはノミ、ハンマーなどが必要かもしれません。

 

私はまだ斧を必要とするような硬い朽木から

オオクワガタの幼虫を獲ったことはありません。

ほとんどドライバーで行ける程度の柔らかく朽ちたものからのみです。

 

しかしこれも簡単ではありません。

飼育されている方で幼虫を掘り出すという経験をしたことがある方なら

ご理解いただけると思いますが

飼育ケースの中で小さな専用の産卵木から幼虫を掘り出す場合ですら

慣れていなければ傷つける可能性が高いです。

 

ましてや自然界に横たわる

方向を簡単に変えたり持ち上げたりできないよう

自由の効かない物の中に入っている幼虫を取り出すのは難しいです。

何度も産卵木から幼虫を取り出した経験のある方のみにお勧めできます。

 

そして肝心なことですが

産卵されている朽木をこれ!と見極めることができるかどうか。

電柱ほどもある太い朽木を丸々一本めくり上げる

など到底できませんよね。

 

産卵されている朽木には、何かしらの情報があるはずです。

コクワガタなら木の表面に独特のかじり跡を残します。

丸いような模様です。

オオクワガタも産卵するときの痕跡があります。

飼育下でも産卵用の木に丁度アゴの大きさそのままのサイズで

穴をあけてそこに産卵し、また削った木のくずを詰めて隠します。

それとは別に野外では樹木の表面に対して垂直方向に

溝のようなものを作ってから産卵するのです。

もしそれが見つけられれば簡単なのかもしれませんが

私はまだ実際には確認できたことはありません。


 

まとめ

オオクワガタを採るのに最もお勧めなのは「ライトトラップ」です。

広葉樹があるかどうかは、国土地理院の発行される地図を見て

山の中に広葉樹のマークを見つけることができれば

オオクワガタが見つけれらる可能性があるということです。

 

あとは住処となるような太い広葉樹があるかどうか

ウロがあるかどうか、樹液を出す環境が整っているかどうかがキーとなります。

 

街灯の下で探すことを「宝くじを狙うようなもの」と表現しましたが

山の中に入って探し回ることもあまり変わらないことかもしれません。

雨の降っていない新月の日などがいいでしょう。

 

オオクワガタを探して回るという場合

その土地は他人の所有物である場合がほどんどと思われます。

 

自由に入り込むことができる環境である場合

勝手に入ってそこにいる虫を採ったとしても法的に罪に問われることはありません。

 

窃盗には当たりません。

自然物は必ずしもその土地のものとは判断されません。

しかし、立入禁止、侵入禁止などの注意書きがあったにもかかわらずそれを見ていながらの侵入(または目に入っていて当たり前)

という条件が整っている場合は不法侵入で引っ張られます

たまたまその時は見逃してもらえたとしても

出入り禁止措置などになれば

それ以降の採集活動が難しくなりますので十分注意してください。

当然ですが自己責任でお願いします。

 

天然物のオオクワガタを採れたとしても

その個体は「放虫」されたものの可能性があります。

 

特に大型のものは放虫でなくても

街から近い場所であれば逃げ出したものであったりします。

とはいえ、大型個体が逃げ出してそこで自然に産卵した場合は

環境さえ整っていれば大きな個体として出てくる可能性はあります。

その判断、見極めは難しいです。

もし見つけたら素直に喜ぶべきだと私は思います。

 

天然のオオクワガタをゲットできたら、本当に嬉しいです。

私のようにいい大人になっていながら小躍りするような嬉しさでした。

初めてゲットした時のことはいまだに忘れられません。

1人でも多くの方に私と同じような貴重な体験を味わってほしいと思います。

くれぐれも安全に気をつけてチャレンジしてください。

 


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