薪について学ぼう【基礎知識】

この記事は薪に関することについて書いています

最後まで読まれますと、薪に関する基礎的な知識(種類、安全対策を3点に絞って

得ることができます。

 

薪はいろんなシーンで使われるものです。

過去には日常生活を営む上でどうしても必要なものでしたが、今では普段の生活というよりもレジャーのシーンでのみ使われるようなことになっていると思います。

日常ではほとんど使わなくなったせいで、ほとんどの方が正しい知識、経験をないままになっているのではないでしょうか。

しっかりした指導者がおられる場合は、その指導にたよればよいのですがなかなか難しいように思います。

特に私は仕事柄もあって、いろんな方がキャンプ中に薪を扱われるのを見るのですが、若いキャンプスタッフの方だけでなく、熟練の方と思われる指導者の率いられている場合ですら危ういシーンを何度も見ています。

緊急事態のようにも感じています。

以下には、ごくごく当たり前のことだけをピックアップしてお伝えしています。

しっかりおさえておきましょう!

薪について

まず薪とはどういうもののことをいうのでしょうか。

薪はキャンプブームのせいか、あちこちのホームセンターや、田舎の方の道の駅などでよく販売されています。

薪が売られている時、値段とは別に「薪」とだけ表示している場合と、しっかり木の種類を明記されている場合があります。実はこの木の種類がとっても重要です。木の種類を選び間違えると、思ったような使い方ができないことになるのです。

ではその「木の種類」について説明します。

薪の状態

まず第一に薪は燃やして使うという、その一点に価値があります。

良い薪の条件としてはまず第一に「乾燥していること」です。

実は、ついさっき降り出した雨などのせいで表面が濡れている程度でなら問題ありません。

水たまりに一瞬つかってしまった!

、、、、、これもそれほど問題にはなりません。

木の中の奥の奥に水分が含まれている場合は、なかなか燃え方が十分にならず、弱い火力で炊事することになります。しかし、前述の表面や一瞬の水つかりなどは芯の部分までは影響しないです。

自然乾燥の場合は、長い時間が必要です。薪を取り扱われている専門の業者さんは、乾燥させるための環境をお持ちだったりします。

森や山では木を切り倒して、切ったその場にしばらく放置しておいて時期を見て回収すると

いうことも少なくありません。雨ざらしのようですが、日を追うごとに乾燥していくのです。

 

薪は2種類に分けられる

薪を語る場合には木の種類というと大きく分けて2種類と言えます。一つは広葉樹(こうようじゅ、もうひとつは針葉樹(しんようじゅ)です。これはとっても重要です。

広葉樹の薪

広葉樹は、簡単に言いますと「冬になると木から葉っぱがなくなってしまう」木です。どんぐりが成る木もそうです。代表的なものとして、「クヌギ」「さくら」「ブナ」「ナラ」などです。幹や枝はどちらかというと一定の形というものはあるものの、ガタガタと不規則な伸び方、形をしています。野山の昆虫やいろんな虫が好んで住み着いたりするのがこの手の木です。

燃え方の特徴としては「派手に燃えることはないが、長く燃え続けてくれる」です。

針葉樹の薪

針葉樹は、そのほとんどは一年中、木には葉っぱがついています。その葉は大体が針のように細長い形状をしています。代表的なものとしては、「杉」「松」「ヒノキ」です。広葉樹とは違い、木の質は繊維が細かく、しっかり詰まっている感じがあります。刃を入れてもボロボロになりにくいため加工がしやすいため建材として使われます。

燃え方の特徴としては、「火が付きやすい。火が付くと激しく燃える性質がある」です。

勢いよく燃えてくれるので、着火の瞬間はとてもありがたいのですが、激しく燃えるということは、燃焼時間が短いということでもありますので、針葉樹素材の薪だけでは、時間のかかる調理には適しているとは言えません。

木造住宅に火事が起こると、ものすごい勢いで燃えます。それはそもそも素材が燃えやすいものであるからです。

針葉樹(建材)と広葉樹をミックスされた理想的な薪セット

薪割の仕方

ほどよい太さ、長さの素材がある場合、または薪として販売されているものを使う場合はそのまま使うことになると思いますが、炊事やキャンプファイヤーなど、大抵の場合は、細いもの、太いもの、長いもの、短いもの、もっと細いものなどいろんな形が必要なはずです。

用途に合わせて用意する必要があるために、薪割をすることになります。

斧(おの)を使うか鉈(なた)を使うか

いろんな種類のものが売られていますし、結局のところ、使い慣れたらなんでもOKなのです。

どれでないとどうしてもだめ、ということは本当のところありません。

しかし、初心者で慣れておられない方の場合や女性、子どもなど筋力の十分ではない方などのこと、合わせて極力簡単に必要最低限の結果を得ることを考えると、斧よりも鉈がおすすめと言えます。

刃の形が片刃なのか両刃なのか、刃の重さや長さなど、いろんなことを考えた上で選ぶ必要があるのですが、ここではあえて詳しい説明はしないことにします。

安全を配慮した薪割の方法

軍手を使う

薪割をする場合は、必ず手に「軍手」を付けます。

薪割をすることだけを考えると、本当は軍手ではない方がいいです。ゴム素材の作業用のグローブが100円ショップでも売っていますのでそれでもいけます。ゴム製のもののほうが、はるかにグリップ力があり、薪割作業には適しています。

しかし、それでも日本中でアウトドアのシーンでは軍手を使う場面を多く見かけます。どうしてでしょうか?間違っているのでしょうか?そうではありません。

上で「薪割をすることだけを考えると」と書いていますが、キャンプで軍手が必要なシーンというのはたくさんあります。ずっとつけていてもおかしくないとまで言えます。

しかし、軍手ではなくゴム製のグローブをずっと使っているとしたら、どうでしょう。

薪割をしたその次のシーンではさっそく薪に火がつけられますよね。

炊事が始まるのです。

薪に火がつけられて、薪が燃え、組んだ形が崩れたりして薪の形を戻したり、次の薪を投入するなどする場合、または、熱い鍋の取っ手をつかんだり、蓋をとってみたりという場合、ゴム製のグローブをつけていたのでは、できないのです。

なぜできないか?

軍手に滑り止めとしてプチプチとゴムがついているものもありますが、あれもそうです。非常に危険なのです。熱でゴム製のものは高温になると溶けてしまい、やけどの原因になったり、鍋やその他の道具を使用できなくする場合があるからです。

ですので、なかなかキャンプの参加者(特に子ども)にゴム手袋と軍手を両方もってこいだの、使えだのということはできないです。そうするとずばり、もう軍手にしようとなるわけです。

あとは、管理、指導の上でも軍手なら軍手と統一する必要があります。

危険な行為を確認すれば、指導者、管理者は即座にストップをかけたり注意を促したりする必要があります。常にすぐ手の届くところで薪割りや炊事をしてくれているわけではありません。

遠くからでもすぐわかるような状態が理想的なわけです。

「あの子は軍手だな」「あっちの子はゴム製のグローブか」「こっちの子は滑り止め付の軍手だな」「火を使う時には交換させないとな」などとやってられません!!!!

軍手をする本当の意味は、安全のためです。鉈や斧を使うような大きな力がかかる行為の場合は、ケガをした場合は大抵が深刻なケガになりがちです。場合によっては取り返しのつかないことになります。

しかし、ちょっと軍手をつけていただけで、その深刻なケガになるはずのものが、病院にいく必要のない程度のケガに抑えられたりします。あの絶妙なゴワゴワ感、その上にしっかりとある、ちょうどいい程度のフィット感は他に代えがたい貴重なアイテムです。

周りに人はいませんか?

薪割は、刃物を使うという行為です。刃を振りかざします。切るのではなく、割るのですから、割られた木はその場にとどまるということをしてくれないことがあります。

あらぬ方向へ飛んでいくことや、自分自身に向かって飛んでくることすらあります。薪を割っている自分自身がそのせいでケガをするのは仕方のないことかもしれませんが、よくわかっていない子どもや他の人まで傷つけることは避けなければなりません。

薪割専用の場所を設ける工夫をするなど、周囲に人がいないことを確認した上で行いましょう。

薪割りの薪の下に、薪割用の素材を敷くこと!

薪割をする場合に、多くの方が忘れがちなことです。

この記事を書くきっかけになったのもこれをお伝えしたいがため、と言っても過言ではありません。

薪割をするときの地面に注目してください。

思い切り振り下ろした鉈や斧のその刃先の行く末を見てください。

そこに石は落ちていませんが?

コンクリートやアスファルトになっていたりしませんか?

不安定な場所でやろうとしていたりもしませんよね?

刃物の先が欠けます!

刃先が欠けた刃物など使い物になりません。直すの大変!

また割れた刃先が飛んできたら大けがします。

下が土や砂の地面ならまだいいかもしれませんが、最も注意していただきたい事柄です。

素人でもそれ以外のことには注意できている場合が多いですが、このことがびっくりするくらい抜けます。

薪割り専用の大きな木を輪切りにして作られているようなものが売っていたりしますが、そこまででなくていいです。同じ薪の素材で、なるべく平らな形のものを下に敷くとかでいいでしょう。

最悪の場合でも石や木の根っこのない場所で土に向かって、、、だめです。

下が固いからこそ、薪を鉈で割ることができるのです。地面がやわらかいと身の詰まった薪はそう簡単に割れてくれません。そうなると薪に食い込んだ鉈をなんとかするために、薪の素材などを使うとかして、刃の背の部分を叩いたりしたくなります。良いことではありません。

量はどのくらい必要か

炊事の場合

薪の量をお伝えすることはとても難しいです。

重さをお伝えしたところで、現場まで体重計を運ぶわけにもいかず、また持って行ったところで乾燥度合いによって、重さはまた変化します。ですので寸法でお伝えします。

炊事に使う薪の太さは大人の手(親指と人差し指)でCの字を作ったくらいの径があればいい感じです。

はんごうに入った4合のご飯を炊くのであれば、はんごうにしっかり炎があたり続けられることを条件に言うと、ほんの20分間ほどその状態が維持できれば米は炊けます。

広葉樹系の薪(35㎝前後)が4本もあれば、十分可能です。着火のための補助の素材(新聞紙や焚き付け用の建築端材などは別途必要)カレーライスづくりも同時にするということでしたら、同じく広葉樹系の薪がもうあと4本あれば作り切って少し保温までの利用が可能です。

作ったあと食べるまでの時間に空きがあるため、保温時間が30分ほど欲しい、などの場合であればもうあと4本もあればいけるのではないでしょうか。

キャンプファイヤーの場合

キャンプファイヤーの場合は、集まる人数にもよりますが、もう少し長い目の素材が欲しいところです。少なくとも40㎝以上は欲しいところです。

カマドの中で燃やす炊事用とは違い、炎から得られる明りが欲しいのです。

30分程度であれば「井形」に5段も組めば足りると思われます。

1時間ほどであれば、途中で追加投入する分を同じだけ用意しておけばよいでしょう。

参加人数が多いと炎の照らす範囲も考慮する必要がありますので、その規模に合わせて木の本数や組む高さ、並べ方などいろいろ考えることがありますので簡単には説明できそうにありませんのでここではこの程度にしておきます。

後始末をどうしよう

これは、おまけと思って読んでください。

 

薪を燃やした後の処理はどうされていますか。

 

キャンプ場であれば大抵は燃えカスを捨てる場所が設けてあると思います。

キャンプ場ではないところで燃やした薪の燃えカスは今どきは不燃性の高性能の処理用のバッグが販売されているようですので、そういうものをご利用になればよいと思います。

それが厳しい場合は、引火しないように水をかけて金属製の缶などに入れて持って帰るなどしてください。

キャンプの最中であと数時間後にまた使うという場合は、これも引火の恐れさえ防ぐ工夫ができるのであれば、缶などに入れて置いておけば良いでしょう。この場合は水で火を消してしまうことはないかもしれません。

 

 

まとめ

ざっくりと薪に関連することについてお伝えしました。

全てにおいて、上っ面だけざざっとお伝えしただけですので、とっても浅い基礎的な情報です。

今回特にお伝えしたかったのは、軍手と薪割の安全についてでした。

浅い情報とはいいながら、基礎的な部分はしっかりおさえていますので

この1記事分のみしっかり頭に入っていれば、ありがちな「自称アウトドア好き」程度のレベルは

超えていけると思われます。

また別の機会で、しっかり説明させていただこうと思っています。

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